映画「プリズン・サバイブ (原題 FELON)」
あの名作「ヒート」のようなアツい男同士の物語が好きな方には是非お勧めしたい映画「プリズン・サバイブ(原題 FELON)」。
日本でも人気のあった海外ドラマ「プリズン・ブレイク」に便乗するかのようなB級感を漂わせる邦題で観なかった方もいたのではないでしょうか。
もしくは日本では認知度の低いキャスティングに作品の存在すら知らない方も多いかも知れませんね。
ストーリー
仕事も軌道に乗り出し妻子と幸せな暮らしを送るウェイド・ポーター。
ある夜、物音で目を覚ましたウェイドは泥棒を追い払うつもりが誤って泥棒を殺してしまう。
この行為が正当防衛と認められず裁判の判決は過剰防衛により懲役3年の刑を言い渡される。
収監先の刑務所に向かうウェイドを乗せる移送車で他の囚人による事件が起こる。
事情聴取で報復を恐れるウェイドは何も知らないというがそのせいで副看守長ジャクソンに目をつけられ、警備が最も厳重な刑務所(通称SHU)に収監されてしまうこととなる。
そこは凶悪犯ばかりが収監される看守らの汚職と暴力で支配する最悪の刑務所だった。
最悪の環境に絶望するウェイドの房に17人を殺した大量殺人犯のジョン・スミスが移送されてくる。
そしてウェイドは刑務所暮らしの長いジョンに刑務所での生き抜く術を教わる…
刑務所が舞台となっている作品なので登場する人物はどいつもこいつも悪そうな強面の男ばかり、その中でもギャングの幹部サムソンの目力による威圧感は半端ない迫力です
刑務所はこんな奴らばかり(笑)
人種差別が根深く残るアメリカだけに社会と隔離された刑務所で白人は格好の的だそうで、派閥より人種による仲間意識が強い刑務所内で白人が対抗手段として組織した刑務所ギャングが存在するそうです。
そして映画にも登場するアーリアン・ブラザーフッド(通称AB)という組織が本当に実在することに驚きました。
刑務所でありながら殺人や暴力が日常茶飯事なのを目の当たりにしたウェイドの「どうして俺が!?」という思いには同情してしまいます。
そんなウェイドと同じ房にジョン・スミスという男が移送されてくるが、これまた17人も殺害した罪で終身刑という凶悪犯。
大量殺人犯のジョンは刑務所内の囚人からも一目を置かれる存在で知り合いも多い。
そんなジョンに怯えていたウェイドだったが同じ房で過ごす中で次第に彼の人間性や優しさを知り、やがて刑務所内で唯一の友人で心強い味方となってくれます。
最後がまたカッコイイのですがネタバレになるので伏せておきます。
男のアツい友情を描いた是非ともオススメの作品です!
個人評価 90点
ウェイドを演じる俳優スティーヴン・ドーフといえばアメコミ映画「ブレイド」で敵のボス役として見たぐらいしか記憶にないのですが、体の造り込みや感情表現など見事な演技で素晴らしかったです。
「ブレイド」で敵ヴァンパイアのボスを演じるスティーヴン・ドーフ
そして素晴らしい演技と存在感だったのがヴァル・キルマー演じるジョン・スミス。
私はエンドロールのキャストを見るまでヴァル・キルマーだと気付かなかったほど、変わってしまった容姿は俳優としてのプロ意識による役作りなのかは謎ですが(笑)
「ヒート」でロバート・デ・ニーロの仲間を演じていたヴァル・キルマー