映画「黒い太陽731」

黒い太陽七三一                                                         1988年公開 香港映画

 

物語は太平洋戦争時の中国満州を舞台に日本帝国陸軍731部隊が、捕虜に対して行われる非人道的な行為を配属されてきた日本人少年兵達の目を通して描かれています。

 

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マルタと呼ぶ捕虜をモルモットのように残酷な人体実験や生体解剖をする日本人(中国人俳優だけど)が恐ろしく、最後は「この映画を実験で命を落とした人々に捧げる」で締め括られ終わるこの作品。

「日本人は過去にこんな残酷なことをしていたのか!?」と同じ日本人として罪悪感に苛まれる方もいるかもしれません。

勘違いしてはいけません!

それこそが制作者の意図したものであり相手の思うツボなのですから。

 

ここから少し余談となります。

確かに石井四郎中将率いる731部隊についてはその存在を日本政府も認めてはいますが、現存する公文書や資料から非人道的な実験をした記録は発見されていません。

 

この「黒い太陽七三一」は森村誠一著「悪魔の飽食を基に制作された作品であり、人体実験が行われていたとする根拠は元部隊員や関係者らの証言によるもので信憑性が低いとされています。

 

なかった事実を後から証明しろというのは難しいことで、真実と主張するならそれを証明する証拠を示さなければなりません。

証拠がないので証拠隠滅という都合の良い言葉に置き換えて日本を陥れようとするプロパガンダなのです。

 

 余談はこのぐらいにしておいて本編についてを少しご紹介。

もう30年近くも昔の香港が制作した作品ということでナメていました。

 

私が最も衝撃を受けたのは撮影方法でした。 

本物に勝るものはないという監督の誇りなのか、それとも道徳や倫理観に欠けるお国柄だからできることなのか本編のいくつかのシーンで特撮じゃなく本物を使用して撮影しているということ。

 

例えば何百匹といる大量の鼠の中に生きた猫を放り込み、猫が鼠に食い殺されるまでの一部始終を撮影して使用するという動物愛護団体も真っ青の明らかな動物虐待

 

極めつけは誘い出した子供の臓器を全摘出をするという解剖シーン。

特撮にしては妙にリアルだと思っていたら、実本物の人間(遺体)を用意して解剖しているというとのこと!!

監督が手ごろな事故か不治の病で亡くなった少年はいないかと近場の警察に尋ねて手に入れたらしい...

 

本物の遺体って考えられなくないですか? しかも子供の遺体ですよ!!...

映画のために見ず知らずの亡くなられた遺体を用意して解剖するという発想、さらに遺体が都合よく用意できる環境や提供する親の神経に驚くばかり。

映画で終始日本人の残虐性を訴えていますが、私は制作側の倫理観や人間性を疑がってしまいます。

 

この映画を何の知識もないまま観た方は日本人はなんて残酷なんだろうと嫌いになること間違いないでしょうね。 

 

そんな人体実験など残虐描写の多いこの作品は現在、YouTubeでも観ることができますので興味を持たれた方はどうぞ。

 

日本語吹替されています

www.youtube.com